「鬼滅の刃」の中で、鬼を倒せる唯一の武器・日輪刀を作る刀鍛冶。
刀鍛冶が住む隠里の住人は、大人も子供もみんな“ひょっとこ”のお面をつけています。
そこには、日本に伝わる神話が深く関係していました。
今回は、刀鍛冶が“ひょっとこ”のお面をつける理由や、由来を考察していきましょう。
【鬼滅の刃】刀鍛冶の人はなぜお面をつけているの?2つの理由はこちら

秘匿の地・刀鍛冶の里の人たちがお面をつけているのはなぜなのか、気になりますよね。
それには2つの理由があると言われています。
- 素顔がバレないようにするため
- 高温から顔を守るため
この理由について詳しく見ていきましょう。
① 素顔がバレないようにするため

日輪刀を作る刀鍛冶たちは、鬼にとって脅威となる存在となります。
見つかってしまうと命を狙われる危険性があるため、山奥の誰にも知られていない秘境に住んでいます。

しかし、刀鍛冶の里がバレてしまった場合、柱たちの日輪刀を作る優秀な刀鍛冶は、真っ先に命を狙われてしまいますよね。
優秀な刀鍛冶が特定されないように、住人たちが同じお面をかぶりカモフラージュしているのではと言われています。
② 高温から顔を守るため

刀を作るときに扱う火は非常に高温で、1500℃近くなることも。
鉄を打つときに飛び散る火の粉で、顔や眼球が焼けてしまい失明したり命を落としてしまう危険があります。
少しでもリスクを抑えるために、お面をつけて顔を守っているのではないかと推測されます。
なぜお面は“ひょっとこ”になっているの?由来は神話だったとの噂も
それでは、なぜ“ひょっとこ”のお面をつけるのでしょうか。
それには、日本に古くから伝わる神話が関係していると言われているのです。
ここからは、なぜお面が“ひょっとこ”なのかの理由を詳しく見ていきましょう。
“ひょっとこ”の語源は火男と言われている

“ひょっとこ”の語源は、かまどの火を焚いて守る「火男(ひおとこ)」がなまった言葉だと言われています。

里に住む小鉄くんの着物の背中には、「火男」の字が書いてありますね。
頭に手ぬぐいを巻き、口をすぼめて片目をつぶった表情が特徴の“ひょっとこ”。
- 手ぬぐいは髪が燃えるのを防ぐため。
- 片目をつぶるのは、火の粉をかぶり失明しないように。
- すぼまった口は、かまどの火が絶えないよう竹筒で吹く様子を表現
お面には、このような「火男」ならではの特徴が表現されています。
おどけたような表情にそんな意味があったとは、驚きますよね。
“ひょっとこ”は製鉄の神様が元になったキャラクターだった
また、“ひょっとこ”は日本の神話に出てくる製鉄の神「天目一箇神」がモデルになっているとも言われています。

2021年5月に放送された「世界ふしぎ発見」でも紹介され、ファンの間で話題となりました。
「火男」=“ひょっとこ”が、火を使って鉄に魂を吹き込む様子が、この神様に例えられたのですね。
製鉄の神様の名前は天目一箇神!どんな神様だったの?
“ひょっとこ”のモデル「天目一箇神(あめのまひとつのかみ)」は、「日本書紀」に登場する主神・天照大神の孫にあたる神様です。

↑イラストで表現すると、こんな感じでしょうか。
鍛冶師を司る製鉄の神様で、姉弟喧嘩で岩戸に引きこもってしまった天照大神をおびき寄せるための祭りに使う刀剣や鈴を作りました。

「目が一つ(片目)」という特徴があり、鍛冶師が鉄の温度を見るときに片目をつぶるという姿を彷彿とさせます。
鋼鐵塚蛍が片目になったのは天目一箇神に近づいた存在になることを示したいから?

炭次郎の日輪刀を担当する刀鍛冶・鋼鐵塚蛍(はがねづかほたる)。
刀に対する愛情は人一倍強く、作業に没頭する芸術肌の職人です。
刀鍛冶の里編では、からくり人形の縁壱零式の中に入っていたボロボロの日輪刀を一心不乱に研ぎました。

里を襲った上弦の伍・玉壺に攻撃されて片目を潰されてしまいますが、それでも刀を研ぐ手を止めませんでした。

こんなに痛そうなのに刀から手を離さない姿勢は、プロフェッショナルを通り越して神々しいですよね。
まるで片目の神・天目一箇神が取り憑いたような集中力は、神の領域に近い存在となったことを示しているのかもしれません。
鬼滅の刃出てくる”ひょっとこ”のお面は、両目が開いていますが、まだ神の領域に達成する前の段階だという意味があるのかもしれませんね。
風鈴を付けていた意味は魔除け

鋼鐵塚さんのかぶる笠には、たくさんの風鈴が吊るされています。
夏の風物詩として馴染みのある風鈴ですが、古来の中国では、竹林に吊るして風の向きや音で運勢を判断する占いの道具でした。
その風鈴が日本に伝わり、”チリンチリン“という鈴の音が邪悪なものを追い払うとされ、魔除けとして広まりました。
元来、中国から伝わった風鈴ですが、唐の時代の中国では、「占風鐸(せんぷうたく)」と呼ばれ、その音や風の向きで吉凶を判断する占いの道具として使われていたそうです。
出典:「省エネの達人」ーおうち時間を楽しむ風鈴は「魔除け」のお守りだった? より
「鬼滅の刃ファンブック」によると、癇癪持ちの鋼鐵塚さんの気を静めるために、風鈴の鈴の音を聞かせていたようです。
このことから、風鈴は癒し効果と魔除け効果をもたらす鋼鐵塚さんの必須アイテムであることが推測されます。
心地よい風と鈴の音が爽やかな風鈴ですが、魔除け効果があるならば、季節に関係なく吊るしておきたくなりますね。
まとめ
今回は、刀鍛冶の里の人たちが“ひょっとこ”のお面をつけている理由と、神話に深く関係する由来について考察していきました。
鬼のいない世界を築くために必要不可欠な刀鍛冶たちの存在に、今一度注目してみると面白いかもしれませんね。
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